10月7日一般質問で稲葉典昭市議は、デフレ突入の98年と比べ市民の「貧困と格差」が拡大するなど、帯広の厳しい状況を指摘し、消費税増税について「市長の認識」を質しました。
市長は「市民の暮らしは、景気の回復を実感できていない。地域経済や市民の暮らしに影響が生じる」と、増税への懸念を表しました。
さらにハローワーク帯広で5443人の求職者数に対して就職できたのはわずか376人(8月)にすぎないことを指摘し、「景気の回復には雇用者所得の増大が不可欠」と強調。
「いま増税すべきでないの一点で市民の声を国に届けるべき」と求めました。
「自然エネルギーの活用で、産業や雇用の創出」を
稲葉市議は、「地域資源を活用し地域でお金を循環させること」と、市有施設のボイラーを重油から木質バイオマスに転換、下水処理施設でバイオガスの生産、市有地に市民出資で共同発電所を設置し、配当を商品券で行うなど、具体的な提案を行いました。
米沢市長は「農業、食、環境、エネルギーの取り組みを一体的に進め、産業振興を図っていく」「バイオマスなど地域資源を活かした新たな産業や雇用の創出などにより、自立的・持続的な経済基盤を確立していく」と答えました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
介護保険見直しで、要介護認定者の3割に影響
安倍内閣は、介護保険の「要支援」を介護保険からはずし、段階的に市町村まかせの制度に移す方針です。
10月4日佐々木とし子市議は一般質問で市の対応を質しました。
市は、この制度移行で要介護認定者の約3割に影響が出ると答えました。また待機者1084人を抱える特養ホームについて「介護度の重い方から入所している。少ない年金で要介護1・2の方でも入所できる施設の整備が必要。市は保険者の役割を」と求めました。
子ども・子育て支援新制度と自治体の役割
また佐々木市議は、保育所への企業参入を促進するため国が急ピッチで進めている、自治体の保育義務をなくし公的責任を縮小する大改悪について、「この新制度のもとで公的保育の充実がはかられるのか」と質しました。
市長は「公的保育はこれまで通り役割を果たせる。行政の責任をしっかりと果たしていく」と答えました。
『帯広市子ども・子育て会議』に労働者団体の代表を
さらに佐々木市議は「新制度で、保育の認定は保護者の就労が主たる要件とされる。『帯広市子ども・子育て会議』に労働者団体の代表を加えるべき」と求め、市は「労働者の代表を加えることも含め検討したい」と答えました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
子どもの権利の保障を
「貧困と競争主義の拡大が子どもに困難を与え、学校でも家庭でも、ありのままに受け入れられる人間関係を失っている。幸福度の低さが子どもの新たな困難となっている」これは国連子どもの権利委員会が、日本に行った第三回所見の内容です。
10月4日一般質問で杉野智美市議は、帯広市の子どもたちの貧困と格差の実態、改善を求めました。
生活に困窮しているすべての子どもの実態をつかむべき
「生活保護基準以下の所得でも生活保護を利用していない家庭の子どもの人数を把握していない」という答弁に杉野市議は、「生活保護法の理念(第6条)に基づき、生活に困窮し、扶助を必要とする全ての子どもたちへの対応が必要。実態を把握すべき」と求めました。
安心して過せる学校、地域を
平成24年度、身体的虐待は36件と減少傾向にありますが心理的、性的虐待は増加しています。「学校や地域、家庭が安心してすごせる居場所になっているかが大事」と、35人学級の実現、科学展示室をリニューアルする児童会館をどの子も利用しやすくする「子どもバス券」の創設と専門家の配置を提案しました。
子どもの権利条例の制定を
杉野市議は帯広市の「こども未来プラン」を推進する体制を求めるとともに、幕別町の取り組みなどを紹介し、「子どもの権利条例」の制定こそが「未来プラン」の推進となると述べました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
意見書
◆「TPP協定交渉の参加に反対する意見書」―全会一致で採択されました。◆「年金2・5%の削減中止を求める意見書」の提出を求める陳情書(年金者組合十勝支部提出)―日本共産党は賛成しましたが、否決されました。
◆「JR北海道の安全対策強化と安全運行を求める意見書」―全会一致で採択されました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【決算審査特別委員会】
孤立死を防ぐ「きづきネットワーク」
「市民一人一人の命は重い」
「きづきネットワーク」は、高齢者や障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていけるように、共産党市議団の提案で昨年11月から実施された、様々な事業所や団体等との連携を図る、見守りのネットワークです。
決算審査特別委員会で稲葉典昭市議が「協力事業者の状況とその成果について」質したところ、「スタート時27から32事業所・団体等に広がり、困難事例の相談は、125件。開始前と比較すると1・5倍に増えた」、「相談数が飛躍的に増え、大きな成果だった。
今後、医療機関、運送業者、宅配業者、地域交流サロンなどに拡大し、地域包括支援センターとも相談していきたい。一人の命は重い。きづきの網の目を広げて孤立死に至らない前に対処したい」と答えました。
胃がん、肺がん検診も医療機関で実施を
託児付き検診の拡充で検診拡大を
稲葉市議はがん検診の実施状況を分析すると、病院で検査できない胃がんと肺がん検診率が低く「病院で検診できるように」と求めました。また、党市議団が提案し実施した「託児付き健診」は、「若いお母さんに喜ばれ、今年度から本格実施になった」と答弁がありました。
核兵器廃絶への市の取り組み強化を
佐々木とし子市議は「帯広市核兵器廃絶平和都市宣言から22年、市が加盟する平和首長会議は、日本国内の加盟都市が1372となり、『2020ビジョン』では2020年までに核兵器廃絶を目指すとしている。署名用紙を市の公共施設の窓口に置くなど、呼応した取り組みの強化を」と求めました。
市は「市の窓口、コミセンなどで取り組んでいきたい」と答えました。
クラブ活動費、生徒会費、PTA会費を
就学援助の対象に
佐々木とし子市議は「2012年度、就学援助を受けている児童・生徒は、4人に1人となっている。文科省の「子どもの学習費調査」によると、学校教育費と学校給食費、塾などの学校外教育費を含めると、公立小学校で30万4千円、公立中学校で46万円にもなり、家計に占める教育費負担が増えている。2010年度から、就学援助制度の支給品目にクラブ活動費、生徒会費、PTA会費が追加され、準要保護に係る地方交付税措置がされている。市も3項目を加えるべき」と求めました。
市は「全体の教育予算の中で、3項目については検討をすすめていきたい」と答えました。
小規模修繕登録制度10年間で予算が5百万円から7千万円に
佐々木とし子市議は「小規模修繕登録制度は、施行から10年が経ち、市の予算も5百万円から7千万円へ、登録事業者への発注率も63%へと増え、市内事業者の仕事づくりに大きな役割を果たしている。しかし、市が発注する50万円以下の小規模な修繕の約3割にとどまっており、発注の片寄りも見られる。早急に5割へ引き上げ、すべての登録業者に発注できるよう、すべての課に発注を広げる取り組みを」と求めました。
市は「なるべく多くの業者に発注できるよう工夫していく」と答えました。
「温かいご飯と冷たい牛乳の提供を」
帯広市の学校給食調理揚の運営の基準となる「学校給食衛生管理マニュアル」では、「配膳室」の配置基準、児童が食べる30分前の検食、温度管理などの基準が示されています。
「この基準が学校給食で守られているか」と、市の考えを質した杉野智美市議に市は、「配膳室は新しい校舎以外は新基準を遵守できていない」「検食時の温度に関する報告の実施のために今後、温度計を配備する」と答弁。
また10℃以下で保冷することが求められている牛乳は、保冷庫が未整備のため夏場18℃程度まで温度が上がることが明らかに。
「温かいご飯と冷たい牛乳の提供は、緊急な対策が必要」と改善を強く求めました。
医療費支払いの困難な人への減額・減免制度の適用拡大を
高齢者や失業者等の健康を支える国民健康保険制度。200万円以下の所得の方が88・6%を占めています。
「国保料は高いと考えるか」と質した杉野智美市議に市は、「他の健康保険と比較して高い状況になっている」と答弁。国保料など社会保険料と税金の支払いは生活を圧迫しています。
お金がなくて医療を受けられない人を生み出してはならないと、窓口での支払いが困難な人の医療費を減額・減免する、一部負担減免制度が改善されて3年が経過しました。
相談件数は25件と増加傾向ですが、そのうち減免が承認されたのはわずか5件。
非適用の半数は自発的な失業、恒常的な貧困を含む方たちです。
杉野市議は、「保険証を持っていても3割負担ができず医療にかかれない状況を生み出してはならない。社会保障制度として、恒常的な低所得の方を適用することは、自治体の判断で可能」と実現を求めました。
―日本共産党は2012年度帯広市決算に対して不認定としました―
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「住宅リフォーム助成制度」の拡充
「建設労働者の労賃引き上げ分の適正支払いと工事発注時期の平準化を」
4月からの公共工事の労賃引き上げにともなって、積算単価引き上げのための補正予算が5月に組まれました。
これについて稲葉典昭市議は、「今年度15%引き上げられた積算労務単価で補正が行われたのは、57億円の工事のうち20億円にすぎず、適正に払われる仕組みづくりが必要」「工期が集中する発注時期を平準化し、仕事ができる期間を延ばす」ことを求めました。
また200件の募集に1054件もの応募があった住宅リフォーム助成制度の拡充を求めました。


