2014年11月16日日曜日

「貧困」とは「必要からの不足」 -「子どもの貧困を考える」セミナー-

「家族の格差が子どもの状態に直結」

権利擁護セミナーで松本北大教授


 社会福祉士会十勝支部主催の権利擁護セミナーが1日開かれました。「帯広市の児童虐待防止の取り組みについて」「十勝こども家庭支援センターの取り組みについて」の実践報告の後、北海道大学松本伊知朗教授の「子どもの貧困を考える」と題した講演が行われました。

 松本先生は児童養護施設の調査から、利用者が入居前に「被害、貧困、排除と言う不利と困難の3側面が重なり、その対応には安心、反貧困、包摂を軸とする対応の組み合わせが必要」。児童虐待も「家族の貧困と生活基盤の脆弱さが根底にあり、個別の支援と介入は反貧困政策を前提として有効」「貧困を物差しで測る貧困探しではなく『必要からの不足』、必要を社会的・文化的側面から把握する」とし、その原因を「責任・努力・能力」に求めることの誤りを明らかにし「資源の再配分、所得の再分配で根本的対策を」とまとめました。