「早期に発見して肺炎の早期治療につなげること」
帯広・十勝のコロナ対策の現状と課題
十勝まち研が学習会
十勝まちづくり研究会は5日、「帯広・十勝におけるコロナ対策の現状と今後の課題」と題する学習講演会を開催しました。第1回目は、「いのちの歴史と新型コロナウイルス」と題して十勝医師会栗林秀樹会長が講演しました。当初、7月開催の予定でしたが、新型コロナの感染者が発見されたため今日まで延期され、しかもオンラインで実施しました。
栗林先生は、新型コロナ感染症の特徴として「集団感染を起こしやすいことが問題で、20%が肺炎に。肺炎が致命的になることがほとんどで肺炎の早期発見が重要。パルスオキシメーターが有用で、病院で貸し出しも行っている」と述べました。PCR検査には①医療的検査②感染拡大予防のための検査③社会的検査があり、医療機関や保健所の有機的連携が重要。1次医療機関で重要なのは「コロナかどうかの判定よりも、肺炎患者を発見し早期治療すること」と強調しました。
「不安に対する最も効果的な薬は正しい情報」
「世界の取り組みを参考に解決策を」
十勝まちづくり研究会で栗林先生は、PCR検査のリスクについて述べた後「唾液検体からの検査が可能になったことがターニングポイント。それまで陰圧室を備えた一部の大病院やPCR検査センターでしか行えなかったのが、普通の医療機関・かかりつけ医で検査が可能に。ただ、現在は医療機関が北海道と検査委託契約が必要。十勝医師会では現在、18町村中12町村で検査可能に。日本医師会はっ契約なしで検査可能になるよう厚労省に働きかけ中」と述べました。
そして「医療機関での治療の目的は、陽性者を見つけることではなく、命を守ること。コロナであってもなくても肺炎は拾い上げなければならない。」と強調しました。
最後に「感情的な判断や行動は、不安や恐怖、焦燥を増幅させ、ときに取り返しのつかない不利益をもたらすこともあります。不安に対する最も有効な薬は、正しい情報です。感情的な発信に振り回されないこと、信頼できる情報源をきちんと見極めることが大切です。世界の取り組みを参考にしながら、日本の医療提供体制や価値観にフイットする解決策を冷静に議論していくべきと思います」と結びました。